産後ケア対談 第5回 澤穂希さん×松峯センター長

澤穂希さんと産後ケア・東峯サライ
元サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のエースとして知られ、今年1月に第一子となる女の子を出産された澤穂希さん。
「わが子と一緒の毎日が楽しい!」と語る澤さんに、今回はワクチンデビューのエピソードをお聞きしました。
さて、赤ちゃんがワクチンを受けたとき、澤さんの胸の中に沸き起こった思いとは・・・・・!?
当センターの小児科医・佐藤香織先生からのアドバイスもあわせて紹介します。
澤 子育てをしていると毎日があっという間ですね。
初めての経験なので不安になるときもありますが、先生や助産師さん、周囲の人たちに相談したり、アドバイスをもらって、「それでいいのよ」なんて肯定してもらううちに、少しずつ慣れてきた気がします。
松峯 「これでいいんだ」ってわかると、あまり難しく考えなくなるでしょ。
その気持ちが大切よね。
澤 そうそう、そうなんです!
松峯 最初はだれもが手探りです。
でも、小さな手ごたえを積み重ねていくうちに、少しずつ子育てに慣れていくのだと思いますよ。
ところで昨日は初めてのワクチン接種でしたね。どうでしたか?
澤 はい。無事にワクチンデビューをしました。
昨日は複数のワクチンを同時に接種する“同時接種”を初めて経験したんですけれど、娘が小さな体で注射を受ける姿を見たら、何てけなげなんだろうって、涙がボロボロとこぼれてしまい・・・・・。
「頑張っていて、えらいねー」という気持ちと、「かわいそうで見ていられない!」という気持ちが押し寄せてきて、なんと私のほうが診察室で大泣きしてしまったんですよ(笑)。
松峯 わが子を思う親心ね。
ママになられた澤さんのほほえましいエピソードを聞かせていただいて、うれしいです。
澤 こういう気持ちって、初めて味わった気がします。
私、母親になってから涙もろくなったみたいです。
娘のちょっとした変化や成長を感じるたびに感動して、胸がジーンとするんです。
知っておきたい予防接種の基本
(東峯サライ 小児科医 佐藤香織先生のお話)
赤ちゃんの予防接種は生後2カ月からスタートし、6カ月までに受けるべきものがたくさんあります。
そもそもワクチン接種を早くから始めるのは、小さな赤ちゃんがこれらの病気に感染すると重症化しやすく、命にかかわる心配があるからです。
生後6カ月以降は多くの人と接触するようになって感染リスクが高まるので、早期に免疫をつけるためにも、生後2か月を迎えたらワクチン接種をスタートするのが望ましいとされています。
ワクチンの同時接種とは?
生後2か月で最初に受けるワクチンはB型肝炎、ロタウイルス、ヒブワクチン、小児肺炎球菌の4種類。医師の方針にもよりますが、多くの医療機関ではこれらを同時に打つ“同時接種”が一般的に行われています。
いずれのワクチンも1種類につき複数回受ける必要があるため、1本ずつ打っていたのでは生後6カ月までに終了できなくなってしまうのです。
スムーズに接種して赤ちゃんを病気から守るためにも、生後2か月からの同時接種が推奨されています。
赤ちゃんがワクチン接種の日に風邪を引いてしまったら?
37.5度以上の発熱があるときは受けられませんが、多少風邪ぎみだったとしても、赤ちゃんの機嫌がよく、全身の状態がよければワクチンを受けることが可能です。
風邪を引いたときに予防接種を打ったからといって、副反応が強く出るわけではありません。
ただし、症状が進みそうなときは、細菌をやっつけるために免疫をとられ、せっかくワクチンを打っても抗体がつきにくくなる心配があります。そのため、ワクチンを受けても大丈夫かどうかを医師が注意深く見極めます。
一方、風邪をひいていない赤ちゃんでも鼻水や咳が出ることがあるものです。「熱はないけれど、もしや風邪ぎみかも」と迷ったときには、ママの自己判断で接種日を延期しないで小児科を受診してください。
そして、もしも「受けられない」と医師が判断したときは、医師と相談のうえ、接種日を変更しましょう。
次回につづく