産後ケア対談 第2回 澤穂希さん×松峯センター長

東峯サライの産後ケアを澤穂希さんに体験していただきました!
元サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のエースとして知られる澤穂希さん。
今年1月9日、第一子となる女の子を出産された澤さんに、東峯サライの宿泊型産後ケアを体験していただきました。
前回に続いて、澤さんの産後ケア体験について、お聞きします!
赤ちゃんのお世話について、なんでも相談できたことが安心感に
松峯 澤さんは“産後ケア”という言葉や、産後ケア施設について、妊娠中から知っていましたか?
澤 いえ、産む前にはまったく知らなかったんです。
松峯 今回、体験してみて、いかがでしたか?「こういうケアがよかった」というのはありますか。
澤 やはり、おっぱいケアと授乳指導ですね。
実は私、「赤ちゃんというのは、生まれてきたら自然におっぱいを吸えるもの」と思っていたんです。
ところが実際は、産前のイメージとは全然違っていました。
産後直後は母乳がそれほど出ないし、赤ちゃんも上手に吸えないし…。うちの子は小さめに産まれたせいか、最初は吸う力が弱くて、「もしかして、うちの子だけ吸えないのかな?」なんて、不安な気持ちにもなりました。
でも、松峯先生に相談したり、助産師さんに授乳をサポートしていただき、「ほかの赤ちゃんと比べることなく、自分と赤ちゃんのペースでいけばいいんだよ」というアドバイスに、すっかり安心できたんです。
授乳に慣れるまで、1カ月くらいかかりましたけど、スタッフの皆さんのサポートのおかげで、焦りとか、イライラがまったくなくて。
私がわりと落ち着いて過ごしているせいか、赤ちゃんもあまり泣かないんですよ。
松峯 ママも、赤ちゃんもおおらかね(笑)。いいことです。
やはり授乳が軌道に乗るまでは気がかりですよね。
産後のママたちの思いは、みんな一緒だと思います。授乳は母と子が協力しあうことが大事。
赤ちゃんが吸ってくれることによって、子宮が回復するのと同時に、おっぱいが出るようになってくるの。「ああ、かわいい!」って、わが子を愛おしく思うママの気持ちに赤ちゃんがこたえてくれて、うまく呼応するようになっていくんですよ。
澤 母親の気持ちって、赤ちゃんに伝わりますよね!それ、すごくよくわかります!
松峯 そうなの。ママが気持ちよく過ごせれば、赤ちゃんも安心するのよ。
澤 気持ちの持ちようって、大事だなと思いました。
最初のうちは「母親としてあれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」「なんでも自分で」という気持ちもあったんです。
だけど、育児って、1度スタートしたらノンストップで続いていくので、「人の手も借りなくては無理だな」と気づいたんです。
「休めるときに、休んで」「わからないことはなんでも聞いて」というスタッフの言葉に素直に甘えさせてもらい、頑張りすぎないようにしたら、気持ちにゆとりが生まれて育児が楽しくなってきました。早くも、もう1人産みたい!と思い始めているところです(笑)。
松峯 それはよかった! ほかには、産後ケアが役立ったこと、何かありますか?
次回につづく
プロフィール
澤穂希(さわ ほまれ)さん
元サッカー日本女子代表。なでしこジャパンのキャプテンとして、6度のW杯と4度の五輪に出場。2015年に結婚。現役引退後、2017年1月に第一子を出産する。
松峯寿美(まつみね ひさみ)先生
東峯婦人クリニック院長。東峯サライセンター長。医学博士。日本産婦人科学会専門医。東京女子医科大学、同大学院卒業。女性の健康と、家族をサポートする産後ケアを目指している