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産後ケア対談 第11回(最終回) 澤穂希さん×松峯センター長

澤穂希さんと産後ケア・東峯サライ

元サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)のエースとして知られる澤穂希さん。
2017年1月に、第一子となる女の子を出産された澤さんと松峯先生の産後ケア対談も今回が最終回です。
今回は対談の締めくくりとして、澤さんが感じた産後ケアのメリットと、松峯先生がそもそも東峯サライを設立したいきさつについて、お話を聞きました。

産後ケア施設は、手探りで育児をスタートしたママたちを見守る‟ゆりかごのような場所“

松峯  最後に、産後ケアを受けて「ここがよかった」と思ったことを教えてください。

  やはり授乳をふくめ、赤ちゃんのお世話の仕方をていねいに教えていただけたことですね。赤ちゃんのお世話って、本で見るのと実際にやるのでは大違い! わからないことをそのつどスタッフに質問できて、助かりました。あとは、産後ケアを受けたことで心に余裕が生まれ、“気の持ちよう”が変わったことかな。もしも産後ケアに出会っていなかったら、もっと完璧な育児を目指そうとして、自分を追いつめてしまったかもしれませんねー。

松峯  産後ケアを体験していただいて、よかったです。

  「母体を休めることも大事だから、休めるときに休んでください」「赤ちゃんを預かりましょうか」とスタッフが声がけしてくれても、最初のうちは、あれもこれも自分でしなきゃと思って、「いえ、自分でできますから大丈夫です」なんて言っていたんですよ。でも、育児はこのあとずっと続くわけだし、「まずは母親である自分の体と心を、休めるときに休めておかなくては」と、はたと気づきました。「自分1人で何でも抱え込もうとしないで、周囲に頼ってもいいんだ」って。そんなふうに思考を切り替えたら、育児がどんどん楽しくなっていきました。

松峯  私が産後ケアセンターをつくったねらいの一つが、まさにそこなの。多くのママたちが「こんなに楽しい子育てなら、もう1人産みたい」「2人目、3人目を産みたい」と思ってくれたらと願っているんです。そうすれば、日本の少子化をストップさせることにもつながるでしょう!?

  そういえば私、産後すぐの時点で「2人目がほしい!」って、先生に言いましたね。心に余裕を持って、“楽しい子育て”をスタートできたからだと思います。

松峯  ねらいが見事に当たりました(笑)。

  本当ですね(笑)。私、授乳の大変さを知る前に、すでにその気になっていましたから。

松峯  実は、私が産後ケアセンターを設立したのは、かつて私自身が産後1カ月の育児で苦労したことがあり、そのときの経験が原点になっているんです。当時、勤務先の大学病院で出産して、入院中、ほとんど何も教わることがないまま退院してしまったの。病院スタッフからすれば、「産科のドクターだから何でも知っているはず」と思ったのでしょうね。ところが、いざ退院したら、赤ちゃんは大泣きするし、布おむつの洗濯には追われるし、家事はしないといけないし、もうパニックになったのよ。

  先生ご自身も、初めての育児の大変さを体験されていたんですか!

松峯  そうなの。退院後、途方にくれて、ベビーシッターさんに来てもらったことがあるんです。そしたら、「名前を呼びながら赤ちゃんの口元を指で触れると、唇を開いて授乳しやすくなるよ」とか、「あぐらをかくと、抱っこするのが楽よ」とか、教科書には書かれていないことをマンツーマンで教えてくれて。目からうろこが落ちるようなことばかりでね。
産科医は「母体と赤ちゃんの命を守って、安全な出産に導く」ことが使命ですから、妊娠・出産についての知識は持っていたけれど、「赤ちゃんのお世話の実践編については、自分は何も知らなかった」と痛感したわけです。そんな経緯もあって、あのときの私のように、産後の育児に困っているママたちをサポートする場所が必要だと思うようになったんです。

  そうだったんですか。赤ちゃんのお世話って、お産入院中に教わるだけでは不安ですし、本で読んだ通りにできるわけじゃないんだなと、私も痛感しました。

松峯  産まれたあとは「おめでとう」って、家族も周囲の人も赤ちゃんのほうを向いてしまいがちでしょ。でも、お産はゴールではなく、そこからが子育てのスタート。いきなり母親として何でもできるわけではないから、産後こそサポートが必要だと思うの。

  確かに。出産経験のある友人に、私の産後ケア体験を話したところ、「そんな場所があるの? 私ももっと早くに知っていればよかったなあ」と残念がっていました。これから妊娠・出産を控えている人たちには、「いざというときには、産後ケア施設でサポートを受けることも視野に入れて準備しておくといいよ」と伝えたいです。

松峯  実家のお母さんにサポートしてもらえたら、それが一番かもしれないけれど、近年、高年出産が増えていることもあり、実母が高齢になっていたり、祖父母の介護に追われて忙しいなど、さまざまな事情で実家を頼れないケースもあるでしょう。そんな人たちが“孤独な育児”に陥って追いつめられた気持ちにならないように、実家の母のように、ママと赤ちゃんを見守り、サポートする”ゆりかごのような場所”が必要だと思っているの。産後ケアは孤独な育児が引き金となって起こる産後うつや虐待の予防にも役立つし、もっとグローバルに考えれば、少子化対策や、働くママたちの育児支援にもつなげていくことができるんです。「産後ケアを日本の文化として根づかせていければ」と思っているところです。

 


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